性癖のルーツ、あるいは今年の抱負

 

 私は所謂「男性向け」のジャンルにハマって楽しんでいる。それらは概ね女の子がいっぱい出るコンテンツだ。

 ただ、私の感性はどちらかと言えば「女性向け」のジャンルで活動している人達に近い。

 男性向けと女性向けには文化の違いがはっきりとあるし(そもそも文化とは一定数の人間を含んだ集団内に自然発生的に生まれるものだから当然だ)、特に顕著なのはR18同人誌の傾向だと個人的には思っている。男性向けのR18同人誌は最初からクライマックスで徹頭徹尾スケベなシーンが続く。いきなりステーキだ。どんと皿いっぱいに乗せられた肉、肉、肉の匂い! ジュージュー! 野菜? 知らないね! そんなもの食わないだろ!? と言わんばかりだ。

 

 女性向けのR18同人誌はまず食前酒から出てこちらを軽く酔わせてくる。前菜が出てきたと思ったらスープが出てきて、まだスケベをしない。魚料理が来て「よっしゃセックスやな!?」と思ったらソルベが来るのでスンッ……となって着席する。ようやっと肉料理だ! と思ったらおっきいお皿にぽつんと肉がある、なんかよくわからないドリルみたいなお洒落な野菜が乗っていたりする。ソースは赤ワインのソースだと言う。なんにも判らないが美味しいので食べる。美味しいなーもっと食べたいなーと思っている間にデザートが届くのでスケベは終わりだ。ちゃんと食後のコーヒーも来るのでミルクたっぷりで楽しもう。

 大体それくらいの違いがある。私はどちらにも良さがあるのでどちらも好きなのだが、たまには男性向けのフルコースも戴きたいし、女性向けのいきなりステーキも楽しみたいと思う。でもそれらは稀少なので探すのに一苦労する。そして何より、自分の性癖と合わなければ充分には楽しめないのだ。スケベとは奥が深い。そもそもは三大欲求の一つではあるが、人間の根幹に食い込む故にバリエーションに富んだ娯楽足り得る。だからスケベな文章を巧く書けるようになりたいのだが、如何せん経験値と勉強が足りない為、私のスケベレベルはお粗末なものだ。これではオルレアンでジャンヌオルタの顔を見るまでもなくワイバーンに倒されてしまうだろう。

 

 思えば、私が幼少期に好んで読んだのは少女漫画ではなく少年漫画だった。りぼんやちゃお等の少女漫画雑誌を読んでいた事もあったが、すぐコロコロ派になってしまった。そしてコロコロも一瞬で卒業してジャンプ派になった。それ以後はあんまり漫画を読んでいない。

 「烈火の炎」「シャーマンキング」「SAMURAI DEEPER KYO」辺りが大好きだった。それらはストーリーが大好きだったのだが、特に烈火の炎だと、紅麗と煉華と葵と門都と蛭湖と綺理斗がキャラとして好きだった。というかSODOM編がめちゃくちゃ好きなのだ。シャーマンキングだと道蓮とアイアンメイデンジャンヌが好きだったんだが公式で結婚してびびった。完全に別として好きだったしよもやくっつけようなどとは妄想にも思っていなかったのに突然公式で結婚していた。夫婦生活が気になる。KYOは吹雪と遊庵と四方堂が好きだった。

 バトル漫画で育ったのだ、私は。でも同時期にモーニング娘。浜崎あゆみに入れ込んでいた。この辺の趣味がドッキングされて年月を経て鋳造された結果、現在のような魔境に足を踏み入れてしまったのかもしれない。

 

 結果として、男と男のアツい関係性、みたいなものを女と女の関係性に見出したくなるオタクになってしまった。だから百合が好きかと言われたら判らない。そもそも恋愛感情で繋がって欲しいふたりをあんまり好きになっていない。

 人間と人間の関係性には色々あって、ひとつの着地点として恋愛というものがあって、それは間違いなく持っている力が強い。でも、恋愛以外にも関係性は色々ある。だから、そのひととそのひとの間にしかできない奇妙な関係が描けたら良いなあといつも思っている。

 

 SODOM編の小金井vsゼット戦とか大好きなんだよ。天堂地獄が出てからの烈火の炎は本当に面白い。SODOM編は全部面白い。森光蘭のキャラデザは一見その特徴を箇条書きにするとテンプレ悪役なのだが、絵の強さと描写、描かれ方、その最期まで含めて素晴らしい悪役だった。読んでない人は読んだ方が良い。紅麗と森光蘭、どちらも「悪役」ではあるけど真逆の描かれ方をしており、それが「悪役」としての深みを出している。烈火の炎はとにかく悪役達の描き方が巧い。巧過ぎる。やっぱり読んだ方が良い。

 少年漫画と言うにはえげつなく、青年漫画と言うにはピュアな、そういう漫画だったと思う。サンデーに載ってたし小学館から出てるんだから少年漫画なのかな? いやでも森光蘭と天堂地獄が合体するシーンとかめちゃくちゃエグかったし食人シーンとかもあるぞあれ……。ゾンビも画力が相まってリアルにキショかったし……。

 とにかくそういうエグくてピュアな話を書いてみたい。もっともっと緻密にリアルさを追っていかないといけないな、と思う。描写を過激にするのは簡単だが、それは表面上のエグさが増すだけで、心に刺さるエグみにはならない。心を刺すエグさが欲しい。

 

 とりとめもない話になってきた。

 そういうリアルにエグいのが大好きな私なので(これはどこから来た性癖なのだろう?)、女と女の関係性にもエグさを出していきたい。最近ちょっとピュアなのを書き過ぎている気がする。FGOでエグいの書いた事ないし。

 今年の抱負にしようかな?

 

 この辺にしておきます。

 それではまた。