FGOにおける忘却について

 スペースイシュタルが実装されて、「忘却」について補強され得る説明があったので、にょろにょろ考えていた。

 そして「忘却」がテーマであった事件簿コラボのムネーモシュネーの辺りも読み直してきた。やっぱマジでムネーモシュネー好きですね……存在が好き……かなしい……被造物はみんなかなしいのか……?


 FGOにおいて「忘却」は「人類が抱える欠陥」であり「人類が抱えなければならない/自覚的に抗っていかねばならない欠陥」である。これは人類を愛し/憎悪するアヴェンジャークラスが忘却補正を持っている事に対応していると思う。
 SWⅡのアシュタレトオリジンだってブチギレてた理由は人類の忘却に対してであり、その半身であるスペイシュが忘れろとか言い出して更にブチギレていた。
 ルルハワのループで対抗できたのが巌窟王とジャンヌオルタ、どちらもアヴェンジャー(ジャルタは水着だったので一応バーサーカーですが)。ルルハワの厄介だったとこ、BBがムーンキャンサーだったからでしょうな。ループに対応できるのはアヴェンジャーなのにアヴェンジャーだと元凶のBBは倒せない。それでどこかしらのループでジャルタは水着の霊基(ムーンキャンサーに対抗できるクラス)に変わったのでは?ってなんとなく妄想しています。


 なんで忘却が人類の抱えなきゃいけない欠陥かって言うと、事件簿コラボで負の感情を忘れさせようとしてくるムネーモシュネーにライネスが「正しくない」と言った事、藤丸立香が「自分で背負う」と言った事、もひとつ足すとやはり忘却させようとしてきた大奥のカーマにもはっきり間違ってると敵対していった点です。
 カーママーラが人類悪として顕現して藤丸立香の何もかもを忘却させようとした事、やはり人類愛……となる。カーマは愛の神様である。
 人間ではない被造物や神や人類悪は忘却を進めてくる(ルルハワのBBもこれに近い)けど、人類代表の如く描かれる藤丸立香はいつだってそれらに抗っていく。カーママーラは完全に自分の為ではあるけど、悪意ゼロのムネーモシュネーやBBの忘却を絶対に受け入れない藤丸立香なので、やはり忘却は人間の欠陥でありながら抱えていかなきゃいけない、そして自覚的にそれに抗っていかなきゃいけないんでしょうね。


 ムネーモシュネー、本当につらい……シナリオ読み直してもムネーモシュネーひとつも悪くないのよね……でもアストライアに裁かれるじゃないですか。これもね、アストライアはつまり人間の立場に立つ女神だからなんですね。プロフにもはっきり「人間にとっての正義の具現」て書いてあるから。で、ムネーモシュネーは人間じゃなくて被造物なんです。だから人間が判らない。自分の最善をやろうとしてるだけで、システムであうるムネーモシュネーには、どうして欠陥を抱えてなお人類は足を止めてはならないかが、わからないんだ……。は? BBか……?(オタクすぐ万物に推しを見出す)


 命やんこんなん……。


 事件簿コラボでの最後のムネーモシュネー戦のBGM、一生聴いてたいくらい好き……。こんなにももの悲しい最終戦BGM、ある……? ムネーモシュネーの嘆きだよ。ムネーモシュネー、祈る事さえできなかった願いのなれの果て。
 命やんこんなん。